※当院では美容を主な目的とする眼瞼下垂手術(健康保険適応外 自費診療)は行っておりません。
※小児の先天性眼瞼下垂や睫毛内反(逆さまつげ)、内眼角贅皮(蒙古ヒダ)の手術も行っておりませんので、あらかじめご了承ください。
眼瞼下垂の症状
「正常よりも眼瞼(まぶた)の位置が下がっている」状態です。通常は上眼瞼(上まぶた)の下垂が問題となり、上方の視野が見えにくくなります。また目が重たく開きにくいため、代償的に額などの筋肉などを使ってまぶたを開けようとするため、眉毛が上がった状態になります(眉毛挙上)。常に神経が緊張した状態になるため、視野の問題だけでなく、頭痛や肩こり、不眠、冷え性などの症状も伴うことが多いです。

眼瞼下垂になりやすい方
眼瞼下垂のはっきりとした原因は不明ですが、乳幼児の場合は多くは先天的なもので、成人の場合は加齢により上眼瞼挙筋腱膜が緩んだり、瞼板への付着が離断したりすることで生じます。眼瞼下垂になりやすい方には、以下のようなものが挙げられます。
- 加齢に伴って、まぶたを持ち上げる筋肉や腱膜が弱まっている。
- コンタクトレンズ(特にハードレンズ)を長年装着している。
- まつげエクステやアイプチ、アイメイクなど日常的にまぶたに負担をかける習慣を長年続けている。
- アレルギー性皮膚炎や花粉症などでまぶたを擦る習慣が長年に渡ってある。
- パソコンやスマホを長時間凝視して目を酷使する習慣を長年続けている。
- 脳や神経の病気(脳動脈瘤による動眼神経麻痺、脳梗塞、糖尿病など)や筋肉の病気(重症筋無力症やミオパチーなど)がある。

眼瞼下垂の分類、病態
- ① 加齢性(腱膜性)眼瞼下垂:加齢に伴って眼瞼を挙上する働きのある上眼瞼挙筋腱膜やミュラー筋が薄くなったり、眼瞼(まぶた)の土台となる瞼板への接合が緩んだり、離断したりして上まぶたを上げる力が伝わりにくくなることが原因です。
※当院では美容を主な目的とする眼瞼下垂手術(健康保険適応外 自費診療)は行っておりません。 - ② 上眼瞼皮膚弛緩(皮膚性眼瞼下垂):加齢に伴って弾力を失った上眼瞼の皮膚と眼輪筋が重力の影響で下がり、視界にかかるようになった状態です。眼瞼下垂を併発していることも多いです。
- ③ 先天性眼瞼下垂:生まれつき眼瞼挙筋の機能が弱く、上まぶたを十分に持ちあげることができません。挙筋機能が弱い場合は、人工物や筋膜を用いた吊り上げ術が必要になります。
※当院では小児の先天性眼瞼下垂の手術は行っておりません。 - ④ その他:まれな原因として脳動脈瘤などによる動眼神経麻痺や重症筋無力症、内頸動脈解離や腫瘍などによるHorner(ホルネル)症候群に伴うもの、緑内障点眼薬(特にプロスタグランジン系)の長期使用、外眼筋のミオパチー(変性)、目を開ける器具を使った内眼手術後などがあります。
上眼瞼の構造
眼瞼の働きは眼球の保護や、まばたきで涙を眼の表面に広げて潤し異物を洗い流すこと、目に入る光量の調節を行っています。薄い上眼瞼には多くの構造物が含まれ、互いに連携することでこれらの働きを行っています。

眼瞼下垂の重症度
眼瞼下垂の重症度を表すものの一つにMRD-1(瞳孔中央と上眼瞼縁の距離)があります。正面を向いた状態で、指で眉毛のすぐ上を抑えて前頭筋の影響を除いた状態で測定します。
MRD-1には個人差がありますが、通常若年者では2.5mm以上、高齢者では1.5mm以上と言われています。上眼瞼縁が瞳孔にかかると視野・視機能に影響してきます。

眼瞼下垂の治療
眼瞼下垂の治療法は基本的に手術のみとなります。
眼瞼のマッサージをしたり、頑張って眼の開閉をして眼瞼の筋肉を鍛えようとしたりしても、瞼板から離れた腱膜が元に戻ることはありません。逆に過度のマッサージにより眼瞼の皮膚や挙筋腱膜がさらにダメージを受け、症状を悪化させる可能性があります。
眼瞼下垂の手術法
① 挙筋腱膜前転術
緩んだ挙筋腱膜を引き出して(前転)、糸で瞼板に縫縮・固定します。同時に重瞼(二重)の作成も行います。上眼瞼挙筋やミュラー筋の機能が正常に保たれており、眼瞼下垂症の原因で頻度の高い加齢性(退行性)のものや、コンタクトレンズ性の下垂には良好な結果が得られやすい方法です。

② 眉毛下/重瞼部皮膚切除
上眼瞼のたるんだ皮膚を眉毛下縁もしくは重瞼部(眼瞼縁)で切除し、縫合します。皮膚の切除量(幅)により開瞼や眼瞼の挙上の程度を調節します。
■眉毛下皮膚切除

■重瞼部皮膚切除

③ ミュラー筋タッキング(Muller Tuck法)
ミュラー筋(上瞼板筋)は上眼瞼挙筋より結膜側にあって瞼板に付着する交感神経支配の薄い筋肉で、挙筋腱膜と同様にまぶたを挙げる役割を担っています。挙筋腱膜とミュラー筋の間を剥離して、可動性を良くしたミュラー筋を引き出して瞼板に糸で縫合固定します(タッキング縫着)。

眼瞼下垂は日帰り手術が可能です。
日帰り手術のメリット
ご都合の良い日を選べます。生活への影響を最小限に
当クリニックでは、診療日はほぼ毎日手術を行っていますので、患者様のご都合の良い日に合わせたスケジュールが立てられます。
日常生活のリズムを変えずに手術が受けられます。(手術スケジュール上、ご希望に添えない場合があります)
負担が少なくなる
日帰り手術は術後に入院を強いられることがないため、身体的・心理的負担が少ないのも特徴のひとつです。特に高齢者の方は入院により一過性の精神障害や認知症(せん妄)が進行することが少なくないため、日帰り手術のメリットは大きいです。
治療費の節約ができる
社会復帰も早く、医療費の多くを占める入院費が削減されるので治療費が低く抑えられます。また当院は有床診療所として認可されており、手術は日帰り入院扱い(1日間の入院)となりますので、ご加入されている医療保険の給付もスムーズです。
眼瞼下垂の手術の相談を予約できます。
眼瞼下垂の治療の流れ
■初診~治療方針の決定

お電話でのお問い合わせやネット予約も受け付けております。

医師による診察を行い、眼瞼下垂の状態を診断します。

手術が必要かどうかについてご説明します。手術日をご相談の上、決定します。

血液検査、胸部レントゲン検査などを行い、手術や麻酔に耐えられるかどうかを調べます。

手術当日の食事制限や内服薬の継続、休薬についてのご説明をします。その後、医師から手術内容の具体的なご説明の後、手術同意書にサインをして頂きます。

手術前
※受付後、病衣に着替えて頂きます。
※女性の方は、お化粧をしないで来院してください。
手術後
※バイタル測定(血圧、心拍数、経皮的酸素飽和度など)を行います。
※手術終了後30分〜1時間で、問題なければ帰宅できます。ただし、ご自身で車を運転して帰るのはお勧めしておらず自己責任となります。送迎の方のご準備やタクシー、交通機関などの方法をご検討ください。来院時のみご自身で運転して来られて、当院の駐車場(無料)に車を置いて帰宅し、後日車を取りに来られるという方法もあります。

■手術当日〜翌日

手術後はガーゼや絆創膏などを当てた状態でご帰宅になります。お傷からの出血でガーゼや絆創膏が血液でにじんで汚れやすいため、こまめに交換して頂くと出血は次第におさまっていきます。ガーゼや絆創膏は処方ができませんので、ドラッグストアなどで買って頂くか、当院の窓口でもお買い求め頂けますのでお声がけください。手術後に多量の出血がしばらくたっても止まらない場合はクリニックに連絡してください。ガーゼや絆創膏は汚れやすいので、少なくとも1日1回は交換して頂き、シャワーの時などは剥がしてお傷をボディーソープや石鹸などで優しく洗い流して清潔にしてください。
■手術後3日〜1週間

出血は落ち着いてきますが、まだお傷から薄い血液混じりの浸出液(体液)が出続けます。浸出液(体液)がにじんでくる場合は、今までと同じようにガーゼや絆創膏などで覆って頂ください。必要に応じて抗生剤入りの眼軟膏や点眼薬もお使い頂けます。内出血(皮下血腫、結膜出血)が出る方もいますが、1〜2週間程度で自然に吸収されますのでそのまま経過を見て頂くか、内出血(皮下血腫)の量が非常に多い場合は、クリニックに来て頂ければ血腫を出す処置を行うことも可能です。
■手術後2〜4週間

傷の大きさや個人差にもよりますが手術後2〜4週間でお傷は落ち着いてくることが一般的です。治癒過程で傷がしこりのように硬くなることもありますが、これは傷が治癒していく過程で起こる通常の反応ですので問題ないことがほとんどです。月〜年の単位で落ち着いてきます。
※手術後の経過には個人差があります。必ずしも上記のとおりに経過することを保証するものではありませんので、あらかじめご了承頂けます様、お願い致します。
眼瞼下垂手術後の注意点について
出血(皮下血腫、結膜出血)
少量の出血は自然に止血されますが、眼の周りの皮下血腫や結膜出血が目立つ場合があります。1〜2週間かけて自然に吸収されていきます。抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)を服用されている方は出血のリスクがあります。
浮腫(むくみ)
傷の腫れ(むくみ)が、手術後1〜2週間程度持続することが予想されます。時間とともに自然に吸収されて治まっていきます。
過矯正、低矯正
眼瞼下垂を矯正しすぎると閉眼困難(兎眼)になる場合があります。手術中に調整を行いますが、局所麻酔や出血(血腫)の影響で手術後の予想が難しい場合があります。一方で矯正が予想よりも不十分となる場合もあり得ます。
開瞼の左右差
開瞼(両目の開き具合)に手術後、左右差が出る場合があります。左右差が強い場合は、再手術が必要になる場合もあります。
ドライアイ
手術後の腫れやむくみによる閉眼不全により、一時的にドライアイが増悪する場合があります。点眼薬などで経過を見ます。
予定外重瞼線、重瞼線の左右差
術前に多重瞼(二重線が複数ある)の場合は、手術後に予想されなかったような重瞼(二重)線ができる場合があります。また、手術後に開瞼や眉毛の左右差により、見かけの重瞼(二重)幅に左右差ができる場合があります。
眼瞼下垂症の手術適応(保険適応)について
本邦の眼瞼下垂症診療ガイドライン(2021年版)では、後天性(加齢性)眼瞼下垂症の手術適応について以下のものが挙げられています。特に眼瞼下垂によって生活に支障が出る症状がある場合は、健康保険適応での手術が可能です。
- ・正面を向いた時のMRD-1(瞳孔中央と上眼瞼縁の距離)が2mm以下
- ・上を向いた時の視野欠損
- ・下を向いた時の読字困難
- ・上眼瞼下垂に伴う不快症状、目の緊張、視野狭窄
- ・上眼瞼下垂に伴う視野狭窄に伴った顎上げ症状
- ・上眼瞼下垂に伴う視野狭窄に伴った職業上の不都合や安全性の不都合
- ・上眼瞼下垂に伴う機能障害の訴え

眼瞼下垂手術Q&A
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